• サービスルーム

採光等、建築基準法の居室としての基準を満たしていない部屋のこと。通常は納戸として建築確認を受けているものが多い。多目的ルーム、スペアルーム、フリールーム等と表現されることもある。

  • 債権・債務(さいけん・さいむ)

金銭の支払、物の引渡し、一定の積極的行為(作為)又は消極的行為(不作為)を求めることのできる法律上の地位を債権といい、逆の立場の者が負うこれらの義務を債務という。 債権を持つ者を債権者、債務を負う者を債務者という。 債権は人に対する権利であるため、同じ債務者に対して複数名の債権者からの同一種類の数個の債権が成立しうる。 ただし債権についでも第三者からの侵害に対し不法行為の成立が認められ、譲渡性もある(民法466条本文)。 債権は債務者がこれを履行しないと損害賠償債権に転化し、また裁判に基づく執行により強制されることもある。

  • 債権譲渡(さいけんじょうと)

債権者Aが債務者Bに対する債権を第三者Cに護り渡すことをいう(民法466条)。 債権は、その性質上譲渡を許さないもの、譲渡禁止の特約のあるものを除いて、自由に譲渡できる(同法466条)。 譲渡はA・C間でできるが、Bに対してこれを主張するには、AからBに通知するかBの承諾を得ておかなければならない(同法467条1項)。 なおAの通知の際には、Bはそれまでに例えばAに済したことをCにも主張できる(同468条2項)が、無条件にBが譲渡を諾したときはその主張はできない(同法468条1項)。 また債権がDにも譲渡されたような場合には、C・D間では、確定日付のあるAの通知書又はBの承諾書を持っていなければ、相手方に譲受けを主張できない(同法467条2項)。

  • サブリース

賃借人が更に第三者に賃貸(転貸)すること。不動産取引の場合、特に賃貸住宅にいて、空き家リスクや管理面のわずらわしさを避けるため、賃貸住宅のオーナーから管理会社等が一括して借り上げ、賃貸経営を行う方式を指す。管理会社等がオーナーに対して賃料収入を保証する方式もあるが、一括借上げ期間と転貸借期間とのミスマッチや賃料の下落から、トラブルにつながる事もある為注意が必要。

  • 更地

対象地に建物等の定着物がなく、かつ、借地権等の使用収益を制約する権利の付着していない宅地のこと。宅地の有形的利用及び権利関係の態様の一つであり、都市計画法等の公法上の規制は受ける。

  • シーリング

建物の継ぎ目や隙間を埋める工事のこと。 シーリング材というゴム状物質を充填剤に使用し、継ぎ目や隙間からの雨水の侵入を防ぎ、構造物が振動し変位した際の伸縮性を確保することができる。

  • 市街化区域・市街化調整区域

すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を市街化区域、逆に市街化を抑制すべき区域を市街化調整区域という(都計法7条2項及び3項)。 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を図るため、必要があるときは、都市計画に市街化区域及び市街化調整区域の区分(区域区分)を定めることができるとしている。 ただし、首都圏整備法に規定する既成市街地又は近郊整備地帯、近畿圏整備法に規定する既成都市区域又は近郊整備区域、中部圏開発整備法に規定する都市整備区域の全部又は一部を含んだ都市計画区域及び大都市に係る都市計画区域として政令で定める区域については、区域区分を定めるものとする(同法7条1項)。

  • 敷金

賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、建物の賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう(民法316条、同法619条2項参照)。 敷金は契約が終了して、建物等を明け渡した後に、未払賃料等があればこれを控除したうえで返還されるのが特徴。 賃借人は契約継続中に、敷金によって不払賃料に充当させることはできない。 敷金返還請求権は建物等を明け渡したときに発生する為、貸借人の建物等の明渡しと同時履行の関係にない。 また敷金には利息を付さないのが普通であり、課税対象外である。 建物等の所有権(賃貸人の地位)が移転したときは、新所有者に引き継がれる。

  • 敷地

一般的には、建築物の占める土地を指す。広い意味では、街区・画地などを総称したり、道路・河川などの占める土地を指す場合もあるが、建築関係法規では、一つの建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう(建基法施行令1条1号)。一団の土地かどうかは登記簿上の筆致や地目、所有関係等とは直接関係なく、不連続でない意味とされており、道路や河川などをはさんでいる敷地や、間に無関係な敷地を隔てて存在するような敷地は、別敷地とみなされる。

  • 敷地権

土地の登記簿に登記された所有権・地上権又は賃借権で、建物又は付属建物と分離して処分することができない敷地利用権 
(区分所有建物の専有部分を所有するための建物の敷地を利用する権利)のことを指す(不動産登記法91条2項)。 
土地の登記簿に登記された所有権・地上権又は賃借権で、建物又は付属建物と分離して処分することができない敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するための建物の敷地を利用する権利)のことを指す(不動産登記法91条2項)。 敷地権の登記がされると、以降は専有部分について行われた権利に関する登記は、敷地権についで同一の登記原因による相当の登記としての効力を有する(同法110条の15)。 敷地権の表示の登記は、一棟の建物の表題部の「敷地権の目的たる土地の表示」欄に所在・地目・地籍等、専有部分の表題部の「敷地権の表示」欄に敷地権の種類・敷地権の割合等が、敷地権の目的たる土地の一筆ごとに記載される。 敷地権の登記がされると登記官の職権により、敷地権の目的たる土地の相当区(所有権敷地権の場合は甲区、地上権又は賃借権の場合は乙区)欄に敷地権たる旨の登記がされる。

  • 敷引

賃貸住宅入居の際、敷金あるいは保証金の名称で借主から貸主に対し支払われる預り金を、退去時に借主の債務の有無に係わらず、一定割合を差し引いて返還することをいう。 敷引と同意語で保証金償却・敷金償却という言い方で使われる場合も多い。

  • 事業用借地権

更新のない借地権であるのが特徴の、定期借地権制度の形態の一つ(借地借家法24条)。
平成4年8月1日より施行された借地借家法で新たに創設された。
この借地権は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として、存続期間を10年以上20年以下と定めるもので、
存続期間の満了により借地契約が終了する。
この借地権を設定する場合には、
(1)専ら事業用の建物(住宅を除く)の所有を目的とする旨、
(2)存続期間が10年以上20年以下である旨の約定を必要とする。
この制度を利用するに当たっては、特約を含め契約を公正証書によって行うことが法律上要求されている。
主な利用目的として、郊外のロードサイドの量販店、外食店舗や工場地等が考えられる。

  • 私道

民間民間の個人や法人が所有している土地のみをもって、当該道路に面している土地の利用を目的に築造した道路のこと。
特定の私人に専用的に使用されているものから、一般に開放されているものなどその使用形態は種々で、土地の寄附又は提供を条件に村道等を築造する場合もある為、道路法上の道路・公道と明確に区分されてるわけではない。
私道の維持・管理は原則としてその土地の所有者の自由にまかされているが、建築基準法上の道路とみなされているものについでは、その変更・廃止が制限される(建基法45条)。

  • 支払金・預り金の保全

宅建業者が受領しようとする支払金又は預り金については、宅地建物取引業保証協会が一般保証業務として行う保証措置(連帯保証)、銀行等が一般保証委託契約に基づいて行う保全措置、及び保険事業者が保証保険契約に基づいて行う保全措置及び指定保管機関が一般寄託契約等に基づいて行う保全措置が設けられている。
概要については宅建業法35条に規定する、重要事項の説明の内の1項目となっている。
宅建業法35条1項10号に規定する支払金・預り金とは、代金・交換差金・借賃・権利金・敷金その他名義のいかんを問わず取引の対象となる宅地又は建物に関して受領する金銭である。
ただし、受領額が50万円未満のもの、宅建業法41条又は41条の2の規定により保全措置が講じられている手付金等、売主又は交換の当事者である宅建業者が登記以後に受領するもの、及ぴ報酬は除く。

  • 借地権

建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう(借地借家法2条1号)。 
借地権者(=土地を借りている者)は地代支払等の義務を負うが、借地借家法は土地賃借権の登記(民法605条、不動産登記法1条)、 
又は地上権の登記がなくても地上建物に登記があれば、借地権の対抗カを認め、その存続期間を定め(借地借家法3条)、 
建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう(借地借家法2条1号)。
借地権者(=土地を借りている者)は地代支払等の義務を負うが、借地借家法は土地賃借権の登記(民法605条、不動産登記法1条)、又は地上権の登記がなくても地上建物に登記があれば、借地権の対抗カを認め、その存続期間を定め(借地借家法3条)、契約の更新を広く認め(同法5~7条)、さらに借地権の譲渡や借地転貸の場合の借地権設定者の承諾に代わる裁判所の許可(同法19条)や借地権者の建物買取請求権(同法13条)等の制度を設け借地権を強化した。
借地権は、一つの財産権としての評価を受け、借地契約にあたっては、その割合の権利金が授受されることがある。

  • 借地借家法

借地法、建物保護ニ関スル法律、借家法を廃止し、平成4年8月1日に施行された法律である。
従前の法律に対して、借地・借家の関係を活性化するために、新しいタイプの借地権(定期借地権、事業用借地権、建物譲渡特約付借地権)を作り、存続期間についても一律30年とし、最初の更新を20年、次回更新から10年する変更点を加えている。
また、借家契約においては、期限付建物賃貸借が改正され、定期建物賃貸借の制度が導入された(平成12年3月1日施行)。

  • 借家権

建物、特に借地借家法の適用を受ける建物の賃借権をいう。
賃借人は、家賃支払の義務を負うが、借地借家法上では建物賃借人がその引渡しを受けていれば、建物の譲受人等に賃借権を主張しうるものとし(借家権の対抗力)、賃貸人からの解約の申入れや期間満了後の更新拒絶には正当の事由を必要とし(借家契約解約の正当事由、借家契約の更新)、さらに契約終了の場合には借家人からの造作買取請求権を認める(借地借家法13条)等、借家人に強い保護が与えられているのが大きな特徴である。
なお借家権は相続の対象となるが、相続人がなく内縁の妻などが借家人と同居していたようなときは、その同居人が借家権を承継する(同法36条)。

  • 重説

重要事項説明又は重要事項説明書の略称。

  • 重要事項の説明義務

宅地建物取引業法35条1項及び2項に記載されている義務の事を指す。
宅地建物取引業者は、宅地・建物の売買(割賦販売を含む)・交換・賃貸等を行う場合、買主・借主に対して、取引しようとする物件や取引条件等に関する一定の重要な事項について記載した書面(重要事項説明書)を交付して、宅地建物取引士から説明をさせなければならない。
この説明は契約が成立するまでの間に行うものであり、買主・借主が望まなかったとしても、省略は認められない。
なお、宅地建物取引士は、説明をするときは相手方等に対して、宅地建物取引士証を提示しなければならないこと(同法35条3項)、書面(重要事項説明書)の交付に当たっては、宅地建物取引士は、当該書面に記名押印をしなければならないとされている(同法35条4項)。

  • 重要事項の不告知・不実告知の禁止

宅地建物取引業法第47条1号に記載されている禁止事項を指す。
宅地建物取引業者は、その業務に関して、相手方等に対し、重要な事項について故意に事実を告げず、
又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
重要な事項というのは、取引の相手方等にとって、その意思を左右するような重大な利害関係のある事項のことである。
例えば、取引の対象となっている土地や建物に、第三者の権利が設定されている場合、
宅建業者がこれを故意に告げなかったり、あるいは虚偽の事実を告げたりすることを禁止したものである。

  • 守秘義務

宅地建物取引業法45条、75条の2に記載されている義務を指す。
宅地建物取引業者及びその他の従業者は、正当な理由がなければ、その業務上取り扱ったことについで知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
宅地建物取引業を営まなくなった後、又はその従業員等でなくなった後でも同様とされている。
宅建業者等は、宅地又は建物といった依頼者の重要な財産について、相談を受けたり取引に関与したりして他人の秘密を知る機会が多いので、業務上知り得た他人の秘密を守ることをとくに強く義務づけられている。
「正当な理由」が認められる例として、裁判の際、又は税務署の職員から法令に基づき証言を求められた場合等が挙げられる。

  • 準工業地域

工業系の用途地域の1つで、主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域として分けられたエリアの事。 危険性や環境悪化が大きい工場を除き、ほとんどの工場を建てることが可能。 住宅やホテル、ボーリング場、映画館、病院、教育施設なども建てられることから、住宅や店舗等、小~中規模の様々な用途の建物が密集したエリアを形成することが多い。

  • 準住居地域

住居系の用途地域の1つで、道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域として分けられたエリアの事。 第二種住居地域で可能な建物に加えて、車庫や倉庫、作業場の床面積が150㎡以下の自動車修理工場、客席部分200㎡未満の劇場や映画館などが建てられる。 国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、大規模店舗や事務所だけでなく、自動車ディーラー店などの自動車関連施設などの立地が多く見られ、住居地域というイメージは持たれないが、日当たりや日影などの各種制限がそれほど厳しくないこともあり、自動車騒音の緩衝用建物としての目的も含んだマンションが多い。

  • 商業地域

商業系の用途地域の1つで、銀行や映画館、飲食店、百貨店などが集まることを目的とした地域として分けられたエリアの事。 日当たり等の各種制限が緩く、建ぺい率・容積率が大きい為、主にターミナル駅周辺や大都市の都心部に指定され、オフィス街や高層ビル・高層マンションが密集したエリアを形成することが多い。 150㎡を超える工場を建てることはできないが、近隣商業地域とは異なりキャバクラ等の風俗店の建築が可能。

  • スラブ

一般的には鉄筋コンクリート造の建築物において、床の荷重を支える構造床のことを指す。 建築基準法では構造耐力上主要な部分の床版は8センチメートル以上と定められているが、マンションなどの集合住宅では上下階への遮音性を高める必要から、20センチ以上の厚さが標準とされている。 コンクリートでつくられているものをコンクリートスラブ、床として用いられるときは床スラブと言う。

  • セキュリティ

安全を確保するための手段。建物の場合は防犯・防火装置に当る。 防犯の為のセキュリティとして、鍵・防犯サッシ・防犯カメラ・進入監視システム等がある。防火のためのセキュリティとしては火災警報器、消火器、スプリンクラー等がある。

  • セットバック

本来は、日照の確保等のため、建物の上階を下階よりも後退させて建築することであるが、
一般的には幅4m未満の道路(2項道路)に面する土地において、土地の一部を提供し前面道路の幅員を広げることをいう。
建築基準法の接道義務に基づいており、防火等の面で十分な道の幅を確保しようとする主旨である。
本来は、日照の確保等のため、建物の上階を下階よりも後退させて建築することであるが、一般的には幅4m未満の道路(2項道路)に面する土地において、土地の一部を提供し前面道路の幅員を広げることをいう。
建築基準法の接道義務に基づいており、防火等の面で十分な道の幅を確保しようとする主旨である。
次のような場合はセットバックが必要となる。
①敷地前面道路の幅員が4m未満の道で特定行政庁が指定したもの(いわゆる2項道路・みなし道路)の場合、その中心線から2m(ただし、道路の反対側ががけ又は川などの場合は道路の境界線から水平に4m)以上後退した線が道路の境界線とみなされ、敷地の一部を道路部分(セットバック部分)としてみなされる(建基法42条2項)。
②壁面線が指定されている場合、建築物の壁又はこれに代わる柱、2m超の門・へいは原則として壁面線を越えて建築できない(同法47条)。
第-種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内において、都市計画において外壁の後退距離が定められた場合は、建築物の壁又はこれに代わる柱から敷地境界線までの距離は、定められた限度(1.5m又は1m)以上でなければならない(同法54条1項・2項)。
セットバックの為に提供した土地については、道路として使用される為、駐輪・駐車場としての利用や、建築物・門・塀・擁壁などを建築することもできない。

  • 専属専任媒介契約

媒介契約の形態の1つで、専任媒介契約に自己発見取引の禁止の特約(依頼者は、媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と、売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約)を付した契約である。
媒介契約を締結した業者は、
(1)書面の交付義務
(2)価額等についで意見を述べる際の根拠明示義務
が課されているが、さらに専属専任媒介契約を締結した業者は、
(3)媒介契約の有効期間を3カ月以内とすること
(4)依頼者の申し出がないと期間の更新ができないこと
(5)1週間に1回以上業務の処理状況についで報告すること
(6)媒介契約の締結日から5日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録すること
などが義務づけられている。

  • 専任媒介契約

媒介契約の形態の1つで、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁止しているもの。
専任媒介契約が締結されると、依頼者は他の業者への依頼が禁止されるが、宅地建物取引業者は他の業者から依頼者を横取りされることがないため、取引の相手方を積極的に見付ける努力が期待でき、依頼者としても成約までの期間が短縮できるなどのメリットがある。
宅建業法では
(1)依頼者の利益が損なわれることのないよう、専任媒介契約の期間は3カ月を超えることができないこと、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3カ月を超えないこと
(2)宅建業者は2週間に1回以上依頼者に業務の処理状況を報告すること
(3)媒介契約締結の日から7日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録すること
などを義務づけている(宅建業法34条の2)。

  • 線引き

都市計画地域について、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に市街化区域(すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域)と市街化調整区域(市街化を抑制すべき区域)との区分(区域区分)を定めることができるとしている(都計法7条1項)。
この区域区分することを通常線引きと呼び、区域区分が定められていない都市計画区域を非線引都市計画区域という。
市街化区域については少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域についでは原則として用途地域を定めないものとされている(同法3条1項7号)。
なお、首都圏整備法に規定する既成市街地又は近郊整備地帯、近畿圏整備法に規定する既成都市区域又は近郊整備区域及び中部圏開発整備法に規定する都市整備区域の全部又は一部を含む都市計画区域、並びに、大都市に係る都市計画区域として政令で定めるものについでは、必ず区域区分を定めるものとされている(同法7条1項)。

  • 専有部分

一棟の建物のうち、構造上区分され独立して住居等の用途に供することができる部分で、区分所有権の目的となるものをいう(区分所有法1条、同法2条3項)。
マンションを例にとると、所有者または賃借人が自由にできる住戸部分の事を指すのが一般的。
専有部分の定義として、まず構造上の独立性を必要とし、仕切壁、天井、床等によって他の部分と遮断されていなければならない。
次に、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他摯物としての用途に供するという利用上の独立性も必要とされている。
逆に、専有部分以外の全体で所有している部分を共用部分と言い、廊下・階段等を指す。
なお、共用部分であっても、バルコニーのように特定の区分所有者の専用使用権が認められることがあるが、このためには規約又は管理組合での決定が必要である。

  • 専有面積と専用面積

専有面積とは、分譲マンション等の区分所有建物の専有部分(区分所有権の目的となる建物の部分)の面積をいうが、この専有面積に共用部分のうち特定の部分を特定の区分所有者に専用的に使用させる部分(バルコニー・扉付きのポーチ状になった廊下の一部等の専用使用部分)の面積を加えた面積のことを専用面積ということがある。
しかし、不動産の表示に関する公正競争規約では区分所有建物の場合は専有面積を表示することとされており、専用面積による表示を禁止している。
専有面積に車庫、地下室等の面積を含むときは、その旨及びその面積を表示することとなっている。
なお、専有面積の算出法には壁芯計算と、登記簿に記載される内法計算の2つがあるが、区分所有建物の床面積は、規約で別段の定めをしない限り、「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平影面積による」(区分所有法14条3項)として、内法計算によることとしている。

  • 造作買取請求権(ぞうさくかいとりせいきゅうけん)

借家人が、賃貸人(オーナー)の同意を得て建物に付加した造作を、 賃貸借終了の際、賃貸人に買い取るように請求できる権利を指す (借地借家法33条、旧借家法5条)。 
「造作」とは、賃借人の所有に属し、かつ、建物の使用に客観的に便益を与えるものをいう。 
大型の埋込み式空調設備や雨戸のように、 いったん取り付けると、取り外す際に相当価値が下がるものがその例である。 
旧借家法では、賃貸人が取付けに同意した造作にっいては、 借家契約終了時に賃貸人が買い取らなければならない(強行規定)とされていたが、 現行の借地借家法(新法)では、特約により賃貸人は取付けに同意しても買い取らなくてよいとすること(任意規定)に改正された。 
この改正については、新法の施行前に成立した借家関係にも適用され、 新法施行後において賃貸人が買取りをしない旨の特約をすることができる。 
借家人は、この権利行使により時価相当額を請求できるが、 判例では、その支払がなくとも建物明渡しを拒めないとされている。 
なお、賃借人の債務不履行による契約解除のときには、 造作買取請求権は行使できないとされている。

  • 側溝

道路にたまった雨水などを排水する為や、民地の用水路・排水路として道路や鉄道に沿って設置された溝のこと。 断面が『U』の形をした側溝を『U字溝・U字側溝』という。『L』の形をした側溝を『L字溝・L字側溝』といい、側溝に集まった水は適当な間隔で設けられている『集水ます』を通して下水管に流していく。 必要に応じて側溝の上にコンクリート蓋(側溝蓋)やグレーチングを取り付けることで、車道と歩道を分ける役割を果たしたり、側溝内に人や物が落ちる心配がなくなる。

  • 損害賠償

損害賠償とは、契約違反(債務不履行)や不法行為があった場合に、それを原因として発生した損害を補填(ほてん)すること(民法415条、同法709条)。 
原則として損害賠償は金銭で行う。 
不動産売買や工事請負契約では、契約時点で、「一定の契約違反に対する違約金」や 「損害賠償の予定額」を決めておくことが多い。 
この場合、売り主が不動産会社などの宅地建物取引業者で買い主が個人の場合には、 契約で定める違約金と損害賠償金の総額は、 購入代金の2割を超えてはならないと定められている。 
一方、不動産の売買契約で売り主が不動産会社の場合や、 工事請負契約を結ぶ場合において、引き渡された住宅に瑕疵(かし)があった場合には、 買い主や依頼主は、瑕疵部分の補修や損害賠償を請求することが認められている。 
これを売り主の「瑕疵担保責任」という。