「倉庫内の暑さ対策に頭を悩ませている…」
「何とかして従業員の健康と作業効率を守りたい!」
倉庫の管理職の方は、このように悩んでいるのではないでしょうか。
倉庫内の暑さ対策として「スポットクーラーの設置」「遮熱シートの導入」などが挙げられますが、コストや効果について不安を感じている方も多いでしょう。
そこで本記事では、倉庫内の空調効率を高める方法、個人でできる暑さ対策を解説します。
快適で安全な作業環境を整えて、従業員の健康を守りながら、作業効率の向上を実現させましょう。
<この記事で紹介するポイント>
・倉庫の空調効率を高める方法
・個人でできる倉庫の暑さ対策
・物流倉庫や工場の気温が高くなる原因
倉庫の空調効率を高める5つの方法

倉庫という広い空間は、効率的に冷却することが難しい場所ですが、工夫をいくつか施すことで、空調効率を向上させられます。ここでは、コストを抑えながら空調効率を高める5つの方法について紹介します。
ビニールカーテンを使う
ビニールカーテンは、空調効率を向上させる手段の一つです。倉庫内において、人や物が頻繁に出入りする場所に設置することで、冷気や暖気が外部に漏れ出すのを防ぎます。
透明なビニール素材を使用するため、光を遮らず、作業効率を損なわない点が特徴です。また、取り付けが簡単でコストが低いことから、多くの現場で利用されています。
ビニールブースで特定の作業スペースを設ける
広い倉庫を全体的に冷却するのは非効率です。改善策として、ビニールブースを使って特定の作業スペースを仕切り、集中して冷却する方法がおすすめです。
必要な部分だけを冷やせるため、空調のエネルギー消費を抑えつつ、快適な作業環境を確保できます。この方法は、特に作業エリアが限られている場合に適しているといえるでしょう。
シーリングファンで空気を循環させる
シーリングファンとは、天井に取り付ける扇風機のことです。シーリングファンを使用することで、倉庫内の空気を効率的に循環させ、温度の偏りをなくせます。
空気が滞留しやすい大型の倉庫では、冷気が一部にとどまってしまうことが多いですが、シーリングファンを使えば解消できます。また、温度が均一に保たれることで、空調システム全体の効果が高まり、省エネ効果にもつながるでしょう。
屋根に遮熱シートを設置する
屋根に遮熱シートを設置することで、太陽光による熱の侵入を抑え、倉庫内の温度上昇を防げます。遮熱シートは、屋根の表面に貼るだけで太陽光の熱を反射し、室内に伝わる熱を大幅に軽減することが可能です。
室内に伝わる熱を大幅に軽減できると、空調システムの負担が減り、冷却コストの削減が期待できます。そのため、環境の改善はもちろん、省エネ効果にも大いに期待できるでしょう。
スポットクーラーの導入を行う
スポットクーラーの導入は、特定のエリアを集中的に冷却させることができます。広い倉庫を全体的に冷やすことは非効率な場合が多く、作業員がいるエリアや温度管理が必要な箇所にスポットクーラーを設置すると、必要な場所だけを効率よく冷やすことが可能です。
また、移動可能なタイプもあり、作業内容や季節に応じて柔軟に配置を変えられる点も便利です。
個人でできる倉庫の暑さ対策

倉庫での作業は、特に夏場に過酷な環境となることが多いですが、個人でも実践できる暑さ対策を行うことで、快適さと安全を確保できます。ここでは、簡単に取り入れられる5つの暑さ対策を紹介します。
水分補給をこまめに行う
暑さ対策の基本は、こまめな水分補給です。特に倉庫内では高温環境が続きやすく、体内の水分が失われやすいため、意識的に水分を補給することが大切です。
水分不足は熱中症や体調不良の原因となりやすいため、作業前後や休憩時に水を飲むように従業員に習慣づけさせましょう。また、冷えた水は、体温の上昇を抑えられます。
塩分補給をこまめに行う
水分補給と同時に、塩分補給も重要です。発汗によって失われた塩分を補わないと、電解質のバランスが崩れ、従業員が体調不良やけいれんなどを引き起こす可能性があります。
塩飴やスポーツドリンクなどを活用し、効率的に塩分を補給することで、体調管理を万全に保てます。例えば、休憩室に塩飴やスポーツドリンクなどを常備しておき、いつでも従業員に提供できるようにしましょう。
市販の暑さ対策グッズを使う
手軽に使える暑さ対策グッズも有効です。例えば、ネッククーラーや冷感タオルは簡単に装着でき、首元を冷やすと体感温度を下げられます。
冷感グッズは手軽に購入できる上に、即効性があるため、倉庫内の作業でも快適さを確保できます。
空調服を着用する
空調服を使えば、内蔵されたファンによって外部から風を取り込み、服の中で空気を循環させることで体感温度を下げられます。特に倉庫のような広い空間において、冷房が行き届かない場合に効果的です。
ただし、価格が比較的高いため、導入する際にはコストとのバランスを考慮する必要があります。また、空調服にはベストタイプ、半袖タイプ、長袖タイプなど、さまざまな種類があるので、従業員から意見を募ってから導入しましょう。
アイスベストを着用する
アイスベストは、保冷剤を入れたベストのことで、着用することで体温の上昇を抑えることが可能です。体の中心部分を冷やすことができ、長時間の作業でも涼しさを感じられます。
さまざまな製品が販売されているため、従業員ごとに合ったベストを選び、暑さ対策として取り入れることがおすすめです。
物流倉庫や工場の気温が高くなる原因

物流倉庫や工場では、特定の構造や環境条件が原因となり気温が上昇しやすくなります。ここからは、その主な原因を3つ紹介します。
空調効率が下がりやすい
倉庫や工場は、広い空間や高い天井が特徴的です。構造的に空気が広範囲に広がるため、冷気が行き届きにくく、空調効率が低下する原因となります。
建物全体の空調を効かせるためには、大量のエネルギーが必要となる点に注意です。特に、作業エリアの規模が大きいほど、効果的に冷却することが難しくなる点を押さえておきましょう。
直射日光の影響が出やすい
倉庫や工場は、大きな窓や開口部を持つことが多く、入ってくる直射日光が温度上昇を引き起こす要因になります。日光が差し込むと、室内の温度が急上昇し、空調に大きな負担をかけるのです。
また、金属製の屋根や壁も熱を吸収しやすいため、室内温度の上昇を助長してしまう点にも注意が必要です。
日本の平均気温が高まりつつある
近年、日本では平均気温が上昇し続けており、特に夏場は高温が長く続くことが増えています。平均気温が上昇していることから、物流倉庫や工場内の温度上昇に大きく影響しています。
これからも気温が上がり続ける可能性が高いため、今後さらなる暑さ対策が重要となるでしょう。特に、埼玉県熊谷市・岐阜県多治見市・山梨県甲府市などのエリアは、気温が高い傾向があるため十分な対策が必要です。
倉庫の暑さ対策を行うべき理由

倉庫や工場で暑さ対策を実施することには、作業環境やビジネスにとって大きなメリットがあります。ここでは、その理由を3つに分けて解説していきます。
生産効率の低下を抑えられる
高温が続く環境では、従業員の集中力や作業効率が大幅に低下します。倉庫内の温度を適切に管理することで、暑さによる疲労やパフォーマンスの低下を防ぎ、安定した生産性を保てるのです。
対策を怠ると、労働効率が落ち、作業のスピードや品質にも悪影響が及びます。最悪の場合は、従業員の熱中症などの体調不良を引き起こすことも考えられるので、積極的に対策を行いましょう。従業員の体調不良が続くと、自社の生産性が低下しかねないため、十分な注意が必要です。従業員の働きやすさを向上させるだけでなく、ロイヤリティにも大きく関わってきます。従業員のモチベーション維持のためにも、暑さ対策を行いましょう。
従業員の熱中症を防げる
倉庫や工場内で適切な暑さ対策を実施することで、従業員の健康を守り、熱中症のリスクを低減させることが可能です。空調設備のみならず、水分補給や塩分補給、冷感グッズの使用など、個人でできる範囲の対策も推奨されます。
労働者を雇用する企業には、労働安全衛生法にて労働災害防止に努める義務があります。安全な労働環境を確保し、熱中症などの健康被害の防止に努めましょう。
製品の品質保持につながる
高温多湿な環境では、倉庫に保管している製品によって品質劣化を起こす可能性があります。特に食品や精密機器は、温度や湿度の変化に敏感です。品質劣化を引き起こすと、コストが無駄になることはもちろん、クレームなどのトラブルにもつながりかねません。
適切な温度管理や暑さ対策を講じることで、製品の品質を長期間にわたって維持でき、廃棄や返品のリスクを減らせます。自社の信頼性を担保するためにも、暑さ対策で自社の製品を守りましょう。
まとめ
倉庫の空調効率を高めるためには、適切な対策を講じることが大切です。適切な対策を行うことで、エネルギーコストの削減と快適な作業環境の維持が期待できます。また、従業員のモチベーションも向上しやすくなるでしょう。
具体的には、ビニールカーテンやシーリングファンの導入、ビニールブースの設置により、効率的に冷気を循環させることが可能です。本記事では、解決策を網羅的にご紹介してきましたので、ぜひ参考にしてみてください。まずは、自社で足りないと感じる部分から積極的に対策していきましょう。
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