会社で書類や在庫商品を保管している場合、社内の一室を倉庫として使っていることも少なくありません。このようなケースでは、貸倉庫を利用すれば、経費削減できる可能性があります。
今回は、貸倉庫を活用して経費削減する仕組みと、費用の勘定科目、倉庫に保管できるものを解説します。
貸倉庫を活用して経費削減できる仕組み
賃借料は会社の経費の大部分を占め、オフィスの面積が広くなればなるほど支出が増えます。支出を抑えるためには、オフィスの面積を小さくする必要があり、そんなときに役立つのが貸倉庫です。
貸倉庫を利用することで、経費削減につなげられます。貸倉庫を活用して経費削減する仕組みと、貸倉庫のメリットについて解説します。
貸倉庫を活用して経費削減できる仕組み
貸倉庫を活用することで、なぜ経費削減ができるのでしょうか。
結論からいうと、オフィス内の不要な荷物を貸倉庫に保管し、オフィスの面積を縮小することで、経費の中で占める割合が大きい賃借料を抑えられるのです。
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大してから、リモートワークを導入する企業が増えました。出社する従業員の数が減ったことで、オフィスの面積縮小を考える企業が増えています。
さまざまな経費の中でも、占める割合が大きいのが賃借料です。特に、東京23区などの都心部では、オフィスの賃借料が上昇しており、大企業はもちろん、中小企業やスタートアップ企業にとって大きな負担となっています。
オフィスが広ければ広いほど支出が増え、反対にオフィスを小さくすればするほど支出を抑えられるため、オフィスの面積縮小を検討する企業も少なくありません。
このようなオフィスの面積縮小に便利なのが貸倉庫です。貸倉庫を借りれば、普段使用しない季節用品や社内資料など、多くの荷物を保管できます。
オフィス内の不要な荷物を貸倉庫で保管すると、その分オフィスの面積や部屋数を減らし、高額な賃借料を抑えることが可能です。一口に貸倉庫といっても、建物1棟を丸ごと貸し出している物件や、ビルの1室のみ貸し出している物件など、さまざまな物件があります。
貸倉庫は目的や用途に合わせて選べるため、無駄なコストをかけることなく効率的に支出の削減を実現できます。
貸倉庫のメリット
貸倉庫を借りることには、多くのメリットがあります。主な3つのメリットをご紹介します。
オフィスの面積を縮小できる
オフィス内の限られたスペースが、商品在庫や書類、販促物などで圧迫されている企業も多いでしょう。貸倉庫にこれらの荷物を保管すれば、オフィスの面積を縮小し、賃借料の削減につなげられます。
倉庫の賃借料は、オフィスの賃借料と比較して安い傾向があるため、同じ賃借料でもより広い面積の倉庫を借りられます。
また、オフィスを縮小すれば、オフィスで使う光熱費や従業員の交通費を抑えられるなど、経費削減ができるポイントが増えることもメリットです。
業務効率の改善につながる
オフィス内が不要な荷物であふれていると、必要な荷物を探し出すことに時間がかかり、業務が滞ってしまう恐れがあります。不要な荷物を倉庫に移したり、倉庫内で荷物を整理・整頓したりすると、どこに何があるのかが一目瞭然になるため、業務効率の改善が実現します。
オフィスの縮小によって業務効率が改善できると、働きやすさが向上して従業員のモチベーションアップにもつなげられるため、最終的に生産性の向上にもつながるでしょう。
資産の洗い出し
オフィス内で保管している商品在庫や備品などの荷物は、会社の資産に当たります。社内に保有している資産や、資産になる過程にあるものは、自社の利益を確定するために、年に1回は洗い出す作業が必要です。
社内の資産を可視化し、従業員全員が把握しておけば、資産を有効活用できるでしょう。
貸倉庫の仕訳・勘定科目

貸倉庫の賃借料を会計処理する場合、「地代家賃」「支払賃借料」「保管料」などの勘定科目が使えます。どの勘定科目を使うかは、貸倉庫の使用頻度や状況によって異なります。
地代家賃
貸倉庫の賃借料は、オフィスの家賃や月極駐車場の利用料などと同じく、「地代家賃」の勘定科目で仕訳することが一般的です。他にも、20万円未満の管理費や共益費、更新料、礼金なども「地代家賃」で仕訳できます。
支払賃借料
OA機器のリース代やレンタカーなどに使用される「支払賃借料」も、貸倉庫の仕訳に使える勘定科目です。
保管料
貸倉庫には荷物を保管することから、「保管料」の勘定科目も使えます。
他にも、一時的な倉庫の使用には「雑費」の勘定科目が使えますが、「地代家賃」や「支払賃借料」の勘定科目で仕訳することが妥当でしょう。このように、貸倉庫の賃借料の仕訳には使用頻度や状況によって異なる勘定科目が使え、どれかを使用しなければならない決まりはありません。設定にあたっては社内のルールを確認する、税理士に相談するなどして適切な勘定科目を使用しましょう。
貸倉庫で保管できるもの

貸倉庫ではさまざまな荷物を保管・管理できます。貸倉庫での保管におすすめのオフィス用品をご紹介します。
書類
デジタル化が進んだ現在でも、社内資料や契約書類など、ビジネスシーンでは多種多様な書類を扱います。重要な書類は保存期間が定められている場合が多く、日常業務で使用する書類と合わせると、膨大な量を保管しなければなりません。
保存が目的の書類は、貸倉庫での保存をおすすめします。使わない書類を貸倉庫で保存すれば、空いたスペースを有効活用できるだけではなく、必要な書類を見つけやすくなります。
販促用品
チラシやパンフレット、ノベルティなどの販促用品を製作している企業も多いでしょう。これらの販促用品は、数が多いほど単価が安くなるため、多めに製作を依頼し、オフィス内で在庫を保管しているケースも少なくありません。
ただし、販促用品は場所を取ることが多く、長期間保管するためにはスペースの確保が必要となるため、オフィス内に空きスペースがない場合は廃棄しなければならない恐れがあります。
貸倉庫を活用すれば販促用品を保管でき、必要に応じて使えるため、せっかく製作した販促品を無駄にしません。
在庫商品
オフィス内のスペースを圧迫する代表的なものが在庫商品です。在庫商品は、企業の経営状態に加えて、キャンペーンやイベントなどによって増減することもあり、保管スペースの確保が難しい場合もあるでしょう。
貸倉庫であれば、目的や用途に合わせて適切な広さを選べるため、商品在庫の量に合わせて必要なスペースを確保できます。
大型の什器や資材
貸倉庫は大型の什器や資材の保管にも向いています。駐車場付きの貸倉庫を選べば、大型の什器や資材もスムーズに搬出入できるでしょう。
オフィス家具
オフィスの縮小や従業員の移動などで、必要なオフィス家具の数が増減することがよくあります。大きなデスクやチェア、パーテーションなどの保管場所を確保するのは容易ではありません。
貸倉庫に使用しないオフィス家具を保管すれば、作業環境を快適に整えられます。
貸倉庫の選び方のコツ
貸倉庫には条件が異なるさまざまな物件があるため、貸倉庫選びで悩むことも多いでしょう。そんなときにぜひ参考にしていただきたい、貸倉庫を選ぶ際の3つのコツを解説します。
オフィスからのアクセスの良さ
貸倉庫を選ぶ際に最も重視したいのが、オフィスからのアクセスの良さです。オフィスから貸倉庫までの距離が離れていると、移動するだけで時間がかかってしまうため、荷物の出し入れに不便を感じるでしょう。
貸倉庫を便利に使うためには、オフィスから遠い場所にある貸倉庫は避けたほうが無難です。ただし郊外の貸倉庫には、賃借料が安かったり駐車場があったりとメリットもあるため、料金や設備などから総合的に判断してバランスの良い物件を選びましょう。
サイズと容量
必要なサイズと容量を見極めるためには、保管する荷物のリストの作成が欠かせません。保管する荷物の数量や大きさを明確にすれば、適切なサイズと容量の貸倉庫を選べます。
将来的なビジネスの成長を考え、余裕のあるスペースを確保することをおすすめします。
保管環境
温度や湿度の管理が必要な荷物を保管する場合、貸倉庫の保管環境の確認も欠かせません。空調の有無だけではなく、採光や通気性などもしっかりと確認しましょう。
セキュリティ
機密性の高い社内資料や、資産に当たる在庫商品を保管する場合に気を付けなければならないのが、貸倉庫のセキュリティです。監視カメラなどのセキュリティ対策の有無を確認しておけば、安心して荷物を保管できます。
まとめ
書類や商品在庫がオフィスのスペースを圧迫している場合は、貸倉庫を活用すればオフィスの面積を縮小でき、賃借料のコストカットにつなげられます。オフィスからのアクセスの良さやセキュリティの有無、保管環境をチェックし、目的や用途に適した貸倉庫を選びましょう。
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