倉庫のリノベーションが人気!倉庫の新たな活用方法とリノベーションのメリット

近頃、使われてない倉庫をおしゃれな店舗やオフィスに造り変える、「倉庫リノベーション」が注目を集めています。リノベーションした倉庫には、高い天井やむき出しの鉄骨など、一般の建物にはない魅力が満載です。

今回は、倉庫の新たな活用方法であるリノベーションのメリット・デメリットと併せて、倉庫リノベーションの活用事例をご紹介します。

倉庫リノベーションとは?

倉庫リノベーションとは、使われていない空き倉庫をリフォームやリノベーションすることです。一般的には、カフェやレストラン、オフィスや住宅など、倉庫ではない用途に変更して活用します。

倉庫は本来、荷物の保管をするための建物ですので、より多くの荷物を保管できるように、広い空間と頑丈さを兼ね備えています。コンクリート打ちっぱなしの床や壁、むき出しの鉄骨や配管など、一般的な住宅や建物にはない内装が魅力です。

倉庫ならではの広い空間と独特な雰囲気を生かした、個性的なレイアウトやデザインを実現できることから、空き倉庫をリノベーションするケースが増えています。

倉庫リノベーションのメリット

リノベーションした倉庫が人気を集めているのは、他の建物にはない多くのメリットがあるからです。ぜひ知っておきたい7つのメリットを解説します。

間取りを自由に決められる

倉庫は、仕切りのない一つの大きな空間になっていることがほとんどです。間仕切り壁やドアなどの構造的要素が少ないため、リノベーションする際に間取りを自由に決められるメリットがあります。

倉庫をリノベーションする目的や用途は、人それぞれ異なります。壁や柱といった構造部分さえ残しておけば後は自由にできるため、希望する間取りを実現しやすくなるでしょう。

開放的な空間にできる

倉庫リノベーションのメリットとして、開放的な空間を実現できることが挙げられます。

ほとんどの倉庫が、より多くの荷物を積み上げられるように、天井を高めに設計しています。通常の戸建てやマンション、オフィスビルや商業施設などのテナントと比較して天井が高いため、スキップフロアや吹き抜けを造るなど、開放的な空間を楽しめるでしょう。

特にカフェやレストランといった店舗やオフィスなど、多くの人が集まる空間に適しており、高い天井を生かした開放的なレイアウトが実現できます。床面積が限られた空間でも、開放感を演出できることもメリットです。

個性的なデザインを実現できる

間仕切りの少ない倉庫は、広い空間を最大限に生かした、個性的なレイアウトやデザインにも対応できます。

一般的な住宅や商業施設などは、柱や梁、配管などを隠すようにデザインされていますが、倉庫は鉄骨や配管などがむき出しになっていることがほとんどです。そのため、他の住宅や建物とは異なる、独特な雰囲気の店舗やオフィスにリノベーションできます。

最近では、鉄骨の柱や筋交い、折板屋根、ブレーシングなどの構造部分をあえて露出する、「インダストリアル」と呼ばれる工業風のデザインが人気です。倉庫なら、インダストリアル風を簡単に演出できます。

工事費用を抑えられる

工事にかかる費用を抑えられることも、メリットとして挙げられます。

倉庫は初めから空っぽの空間であることが一般的です。通常の住宅やオフィスのように、間仕切り壁やドアなどの構造的要素が少なく、リノベーションに不要なものを取り除く必要がないため、内装解体費用がかかりません。

また、内装の仕上げがされていない場合、廃材の処分費用も少なくできます。

内装を解体してスケルトンにする費用を抑えられるため、リノベーションの費用に充てられます。

断熱工事や耐震補強がしやすい

断熱工事や耐震補強のしやすさも、倉庫リノベーションのメリットの一つです。

倉庫は荷物の保管が目的で、人が長い時間滞在することを考えて設計されていません。リノベーションする用途や目的によっては、断熱工事や耐震補強が必要になる場合があります。

一般的な住宅やオフィスビルの場合、内装に仕上げ材が張られているため、断熱工事や耐震補強をするためには内装を剥がさなくてはなりません。倉庫の内装は鉄骨や筋交いがむき出しになっているため、断熱や耐震の施工がしやすいメリットがあります。

構造によっては耐久性が高い

倉庫の内装といえば、むき出しの鉄骨をイメージする人がほとんどではないでしょうか。倉庫は鉄構造であることが多く、木造と比較して耐久性や耐震性に優れています。

ただし、荷物の保管が目的の倉庫は、採光性と通気性が考慮されていません。店舗やオフィスにリノベーションする場合、窓や開口部を新たに設置する必要があるでしょう。

建物を支える重要な壁や窓に開口部を設置すると、耐震性能や建物の構造に影響を与える可能性もあります。そのため、建築士などの専門家に相談した上で、最適な方法で取り入れましょう。

安く購入できる場合がある

倉庫には内装や設備などがないため、同じエリアや立地条件、同じ広さの住宅やオフィスビルよりも、安く購入できる可能性があります。

コスト面で手が届かないエリアであっても、倉庫なら購入できる場合もあるでしょう。

倉庫リノベーションのデメリット

多くのメリットがある倉庫リノベーションですが、やはりメリットだけではなくデメリットもあります。倉庫のリノベーションで失敗しないためには、デメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。

倉庫を活用する前に押さえておきたい、5つのデメリットを解説します。

インフラ整備に費用がかかる

倉庫はもともと、人が長い時間滞在することを考えて設計されていないため、倉庫を別の用途に変える際には、電気・水道・ガスなどのインフラ整備が必要です。

インフラ整備には、配管工事や設備の取り付けなど、さまざまな追加費用がかかります。また、開通や契約の手続きにも費用と手間がかかるでしょう。

必要な設備は、倉庫の新しい用途によって異なります。倉庫をリノベーションする前に、インフラ整備の工事に伴う費用や手続きを確認し、適切なスケジュールと予算を計画しなければなりません。

倉庫リノベーションのような大掛かりな工事には時間がかかるため、余裕を持って計画を立てましょう。

建物の性能が低い

カフェやレストラン、オフィスなど、倉庫を人が長時間滞在する用途に変更する場合は、リノベーションによって建物の性能を高める必要があります。

通常、倉庫には人が長時間滞在しないため、断熱性や防音性、気密性などが十分に考慮されていません。そのためカフェやレストランとして使用する場合は、訪れた人が室内で快適に過ごせるように、建物の性能を高める工事が必要です。

ただし倉庫によっては、あらかじめ断熱対策や気密対策がされている場合もあるため、確認してみましょう。

採光・換気計画を立てる必要がある

荷物の保管が目的の倉庫には、必要最低限の窓や扉しか設置されていない場合がほとんどです。

窓や扉が少ないと、室内の隅々まで十分な光が届かないだけではなく、風も抜けにくくなってしまうでしょう。カフェやレストラン、オフィスなどにリノベーションする場合は、居心地の良さを考慮しなければならないため、窓や扉を増やす必要があります。

また建築基準法では、採光や換気回数の基準が求められています。倉庫のような非居室は関係ありませんが、カフェやレストランなどの店舗、オフィス、住居にリノベーションする場合は、建築基準法にのっとって窓や扉を増やさなければなりません。

倉庫の構造によっては、壁に窓を増やせないケースもあるため、天窓を設置するなどの工夫が必要です。

立地が悪いケースも少なくない

街中で大きな倉庫をあまり見かけないことから分かるように、大規模な倉庫は工業地域に多くあります。そのため、一般的な住宅や商業施設と比較すると、集客の面で立地がそれほどよくないことがデメリットです。

荷物の保管が目的の倉庫は、居住や集客が目的ではないため、駅や商業地域、住宅地から離れた所にある傾向があります。倉庫をカフェやレストランなどの店舗にリノベーションしても、集客できなければ意味がないでしょう。

立地が悪い倉庫を集客が必要な店舗などにリノベーションする場合は、駐車場を確保するなどの対策が必要です。

また、用途地域の確認も必要になります。用途地域によって建物の用途制限が設定されており、特に「工業専用地域」の場合は住宅・店舗・飲食店など多くの用途で使用できません。必ず確認してから事業計画を立てましょう。

築年数によっては補強工事が必要になる

倉庫の築年数が古い場合は、補強工事が必要になる場合があります。人が長時間滞在することを想定しないため、耐震性に問題があるケースもあるでしょう。

建物の安全性や快適性を確保するためには、専門の調査機関に倉庫の状況を調査してもらう方法もあります。費用はかかりますが、耐久性や耐震性、断熱性、遮音性など、倉庫の状況を把握でき、必要な対策が分かるのでおすすめです。

用途変更手続きが必要になる場合がある

倉庫をリノベーションする場合、用途変更手続きが求められる場合があります。

申請が必要になるケースは、以下の条件に当てはまる場合です。

・建物の面積が200m2を超える場合

・特殊建築物に変更する場合

用途変更の申請が必要になるのは、特殊建築物への変更かつ建物の面積が200m2を超えるケースに限られます。どちらか一つの条件しか満たしていない場合は、用途変更の申請は不要です。

特殊建築物とは、建築基準法で定められた特別な用途を持つ建物を指しています。例えば、物品販売業を含む店舗や飲食店、映画館、劇場などが該当します。

倉庫のリノベーションの用途で多いカフェやレストランも、特殊建築物に当てはまります。用途変更の申請が必要であるにもかかわらず申請しなかった場合は、建築基準法違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。用途変更の手続きは専門知識が求められる為、建築士事務所など専門家に依頼しましょう。

倉庫リノベーションの活用事例

間取りを自由に設計できる倉庫リノベーションは、活用方法が無限大にあります。倉庫リノベーションで特に人気の高い、7つの活用事例をご紹介します。

オフィス

倉庫の広々とした室内空間は、オフィスや事務所に最適です。

倉庫とオフィスを使い分けたり、オフィスと作業場を分けたりと、さまざまな活用方法があります。郊外の倉庫は広い駐車場が付いている場合も多いので、立地が少々悪くても車通勤なら対応できます。

個性的でおしゃれなオフィスは取引先に良い印象を与えるだけではなく、空き倉庫をリノベーションすることで、環境問題へ取り組んでいることもアピールできるでしょう。

また、自社のオフィスとして使用する以外にも、シェアオフィスやコワーキングスペースとして貸し出すことも可能です。

カフェ・レストラン

倉庫の活用事例として多いのが、カフェやレストランなどの飲食店です。

倉庫をリノベーションしたおしゃれな飲食店はSNSでも話題で、若者を中心に人気を集めています。むき出しの柱や梁をあえて見せることで、倉庫にしか出せない独特の雰囲気を演出できます。

倉庫本来の鉄骨や配管などを生かすことで、費用をかけずにおしゃれな内装を造れることが、倉庫リノベーションの大きな魅力です。倉庫の高い天井には開放感があり、お客様にゆったりとくつろいでもらうことで、滞在時間の長期化や客単価の向上などが期待できるでしょう。

また、倉庫は住宅街から離れている場合も多いため、騒音や臭いなどのクレームが発生しにくいメリットもあります。

美容室

倉庫が持つ無機質な雰囲気と室内空間の広さから、美容室にもリノベーションするケースがよくあります。

天井が高い倉庫にはロフトも設置できるため、サロン内で特別な個室を造ることも簡単です。むき出しの柱や梁の無骨さと、たくさんの美容機器や家具が融合し、独特な雰囲気を演出できます。

また、個室が必要なエステサロンも、広い空間のある倉庫に向いています。倉庫をリノベーションした美容室は、美容室には見えない「隠れ家風」であることも魅力です。

各種スタジオ

空き倉庫をそのまま活用した撮影スタジオも人気です。

実際に使用されていた倉庫には、つくりものでは出せない独特な雰囲気があります。倉庫ならではのシーンで利用できると注目を集めています。

また、防音設備や音響設備を施せば、音楽スタジオとしても活用できるでしょう。倉庫の広いスペースがあれば、カフェや楽器店なども併設可能です。

イベントスペース

倉庫の大空間を生かしたイベントスペースも、倉庫のリノベーションに多い活用方法です。ミュージシャンのライブや演劇から、マルシェや大規模な展示会まで、イベントスペースとしても幅広い使用用途があります。

また、設備を整えれば、セミナーやパーティーなどにも活用できます。天井が高い倉庫には開放感があり、多くの人を収容した際に生じる圧迫感を抑えられるため、イベントスペースにも最適です。

アトリエ

さまざまな作品を展示したり、制作などの作業を行ったりするアトリエへのリノベーションも、倉庫の活用方法としてよくあります。

作品の展示や作業には広いスペースが必要です。また、材料を保管するスペースも確保しなければなりません。

倉庫の広いスペースは、アトリエとしても十分に活用できます。郊外の倉庫であれば駐車場も付いていることが多いため、作品や材料を出し入れしやすいでしょう。

アパレルショップ

倉庫リノベーションは、洋服やバッグなどを販売するアパレルショップや、雑貨や家具などを販売する店舗にもおすすめです。

商業施設やビルの一室と比較して、倉庫はスペースが広いため、開放的な空間でゆっくりと商品を選ぶことができます。広い空間を生かして商品やサービスを充実させることで、ライバル店との差別化を図れるでしょう。

倉庫リノベーションは、アパレルショップや小売店など、外観と内装にこだわりたい店舗に向いています。

まとめ

欧米で古くから行われてきた倉庫リノベーションが、日本でも注目されるようになりました。都市部に近い倉庫は、カフェやショップ、サロンやイベントスペースとして利用されることが増えてきています。

倉庫リノベーションの人気に伴い、倉庫を探している人が増えています。使っていない倉庫の活用方法でお悩みなら、ぜひプロに相談してみましょう。

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お客様に最適な活用方法をご提案させていただきますので、持て余している空き倉庫がございましたら、お問い合わせフォームまたはお電話からお気軽にお問い合わせください。

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