「放置している空き倉庫をどう活用すればいいのか分からない」
「どのような倉庫を使ったビジネスがあるのか知りたい」
とお悩みではありませんか?
通常、倉庫は荷物の保管に使いますが、広いスペースとシンプルな構造のため、さまざまな活用方法があります。
今回は、倉庫を使ったビジネスのメリットと併せて、事例と注意点をご紹介しますので、空き倉庫を持て余している方はぜひ参考にしてください。
倉庫を活用するメリット
倉庫には他の物件にはないさまざまなメリットがあります。倉庫を活用する5つのメリットを解説します。
安定した需要がある
インターネットやスマホが普及し、幅広い世代の人がインターネット通販を利用するようになったことで、荷物の量が増えました。物流の規模の拡大により、倉庫の需要も増加が続くと予想されています。
倉庫には安定した需要があることが大きなメリットです。
広いスペースを確保できる
倉庫は面積の広さが大きな特徴です。一般的な住宅やオフィスビルの一室よりも使用できる面積が広いため、広いスペースが必要なカフェやレストラン、店舗や大型オフィスなどにも活用できます。
自由度が高い
倉庫を活用するメリットとして、活用の自由度の高さが挙げられます。
例えば、マンションやアパートは生活することを目的に造られており、商業施設やオフィスビルは人が利用することを目的に造られた建物です。
一方の倉庫は、荷物を保管することを目的に造られているため、効率よく荷物を保管できるように床や天井に工夫がされています。倉庫の床は荷物の重さに耐えられるような頑丈な造りになっており、天井はより多くの荷物が積めるように高くなっています。
頑丈な床や高い天井が特徴の倉庫は、建物自体のスペックが高いため、店舗や駐車場、オフィスなど、倉庫以外にもさまざまな用途に転用可能です。倉庫の強みを生かした、幅広い活用ができます。
費用の負担が少ない
倉庫は活用する際の費用の安さもメリットの一つです。
倉庫には特別な設備が設置されていないことも多いため、倉庫以外の用途で活用する際に、内装解体費用が比較的安く済みます。倉庫をリノベーションする規模にもよりますが、住居やオフィスビルなどをリノベーションするよりも、費用を抑えて新しい建物に活用できます。
収益性が高い
倉庫は、賃貸住宅やオフィスビルと比べて建築コストが低いため、床面積当たりの家賃が同じなら、収益性の高い賃貸経営ができます。
倉庫をどのように活用するのかによっては、追加の費用がかかる場合もありますが、初期投資が少ない分だけ、収益性を検討する際に活用の幅を広げて考えられるでしょう。
また、シンプルな構造の倉庫は、外部のメンテナンスが比較的簡単にできます。活用方法が変わっても、長期間運用しやすいことも大きなメリットです。
倉庫を使ったビジネスの事例
倉庫はそのまま倉庫として貸し出す以外にも、さまざまな活用方法があります。倉庫を使った5つのビジネスの事例をご紹介します。
倉庫として貸し出す
最も簡単な活用方法が、倉庫として貸し出す方法です。床や壁、屋根などの建物の構造に問題がなく、内部も片付いている状態であれば、そのまま倉庫として貸し出せます。
インターネット通販の利用者の急増によるEC市場の拡大に伴い、個別配送の荷物量も大幅に増えました。さらに、「お取り寄せ」や「産地直送」といった、生産者から直接一般家庭に商品を届ける物流ネットワークが広がっており、配送拠点の分散化が求められる傾向があります。このような動きも倉庫の需要を高めており、空き倉庫の活用方法として注目されてるのです。
また、倉庫は貸倉庫だけではなく、撮影スタジオとしても活用されています。コンクリートの壁やむき出しの鉄骨など、倉庫の独特の雰囲気が人気を集めており、コスプレ撮影から映画のワンシーンまで、さまざまな撮影場所として利用されているのです。
倉庫兼住居として貸し出す
倉庫の活用方法として、倉庫兼住居として貸し出す方法が挙げられます。2階建て以上の倉庫では、1階部分を倉庫として、2階部分を住居として利用しているケースもあります。
ただし、倉庫によっては、電気・ガス・水道といったインフラ整備がされていない場合もあります。倉庫兼住居として活用するには、インフラ整備が必要です。
さらに、人が長時間滞在することを想定して造られていない倉庫は、防音性や断熱性、通気性や採光性が弱い傾向があるため、人が快適に住める空間を実現させるためには、何らかの対策が必要です。
オフィスとして貸し出す
倉庫の活用方法の一つが、オフィスとして貸し出す方法です。
近頃では、オフィスの空間も大きく変化しています。以前のように、ただデスクを並べたレイアウトではなく、個人のデスクとミーティングスペースを混在させたり、個人のデスクを固定しないフリーアドレスを取り入れたりと、オフィス空間も多様化しています。
倉庫はスペースが広く自由度が高いため、機能的かつ個性的なオフィス空間を造れるでしょう。ただし快適なオフィス空間にするためには、床や壁、開口部や天井の断熱性能を向上させるための改装が欠かせません。
店舗として貸し出す
倉庫の活用方法として多いのが、カフェやレストランなどの店舗です。
むき出しの鉄骨や配管、コンクリートの床や吹き抜けのある空間など、倉庫ならではの素材を生かしたおしゃれな店舗が日本各地で増えています。
倉庫は内装が施されていないため、自由にリノベーションできることが魅力です。立地条件や周辺環境を分析すれば、ビジネスとして成立するでしょう。
イベントスペースとして貸し出す
倉庫特有のスペースを活かすことで、発表会や展示会、セミナーやワークショップなど、さまざまな催しを開催するイベントスペースとして活用できます。
倉庫の広いスペースをそのまま使うだけではなく、必要に応じてスペースを区切ることも可能です。自由自在に変化させられるため、目的に合わせた使い方ができます。
イベントスペースとして倉庫を活用すれば、多くの人が集まるイベントを開催することができ、新たなビジネスチャンスを得られたり、地域を活性化させられたりする効果が期待できます。
他にも、パーティー会場やスポーツの練習場など、さまざまな活用方法があります。
倉庫を使ったビジネスの注意点
倉庫を使ったビジネスにはさまざまな方法があるため、うまく活用すれば安定して収益を得られるでしょう。ただし、倉庫を活用したビジネスには、注意しなければならないポイントがいくつかあります。
ビジネスを始める前に知っておきたい、倉庫を使ったビジネスの5つの注意点を解説します。
借り手が見つかるまでに時間がかかる可能性がある
倉庫ビジネスを自社で運営する場合、自身で見込み客を探さなければならないため、借り手が見つかるまでに時間がかかる可能性があります。
例えば、賃貸マンションやアパートの入居者を募集する際には、物件の検索サイトが多くあるため、マンションやアパートを借りたい人の目に留まりやすいでしょう。一方、倉庫は専用の検索サイトも少なく、住宅に比べて広告方法も確立されていないため、見込み客に情報が届きにくいのです。
見込み客に情報を届けるためには、テナント募集看板を掲示したり、不動産会社に集客を依頼したりする方法があります。借り手を少しでも早く見つけるための努力が必要です。
事業計画は慎重に立てる
空き倉庫を活用する場合、再投資をするケースと再投資をしないケースがあります。
再投資をするケースでは資金の調達が必要です。銀行から融資を受けるのであれば、事業計画を念入りに立てなければなりません。特に、収入の設定を甘く見積もるとリスクが大きくなるため、適正な稼働率を設定するなどの入念な計画が必要です。
また、倉庫を問題なく使ってもらうためには、継続的な維持管理が求められます。定期的なメンテナンスや長期的な修繕計画など、再投資の費用の見込みも立てておきましょう。
自社に合った運営方法を選ぶ
倉庫の運営方法は、大きく2つのパターンに分けられます。自社で賃貸経営する方法と、倉庫を活用してビジネスを行う方法です。
自社で賃貸経営する場合、貸倉庫として貸し出す以外にも、オフィスやレストランなど倉庫以外の用途に貸し出したりする方法があります。一方、倉庫を活用してビジネスを行う場合では、カフェやレストランを自営する方法などがあります。
どちらの運営方法が合っているかは、倉庫を所有する会社やオーナーによって異なりますが、運営方法に関わらず、考え方や目標・目的を持ってビジネスを行うことが重要です。
倉庫の活用方法は倉庫だけではありません。さまざまな活用方法があるため、考え方を固定せず、広い視野で自社に合った活用方法を選びましょう。
用途変更には申請が必要になる場合もある
倉庫は用途変更が可能ですが、変更の内容によっては自治体に用途変更の申請が必要になる場合があるので注意が必要です。
申請が必要になるケースは、以下の条件に当てはまる場合です。
・建物の面積が200㎡を超える場合
・特殊建築物に変更する場合
特殊建築物とは、建築基準法で定められた特別な用途を持つ建物を指しています。例えば、カフェやレストランなどの飲食店、体育館やスポーツ施設、病院、百貨店などが該当します。
用途変更の申請が必要になるのは、特殊建築物への変更かつ建物の面積が200㎡を超えるケースに限られます。どちらか一つの条件しか満たしていない場合は、用途変更の申請は不要です。
用途変更の申請が必要であるにも関わらず行わなかった場合は、建築基準法第99条により、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられるので注意してください。建築士などの専門家へ確認・依頼するようにしましょう。
経営に関する知識を身に付けておく
倉庫を活用することは立派なビジネスです。そのため、過去に事業の立ち上げや経営をした経験がない場合は、最低限の経営知識を身に付けておくことが欠かせません。
経営に関する知識は、倉庫をどのような用途に変更する場合でも必要です。事業計画の立て方から、集客や顧客管理の方法まで理解していなければ、ビジネスはうまくいかないでしょう。
さらに倉庫の用途を変更するのであれば、用途地域の確認を含めた都市計画法や建築基準法などの法的知識が必要で、現実的な収支のシミュレーションを作成するためには、経理の知識も求められます。
倉庫の運営に必要な知識を身に付け、ビジネスを成功に導くための準備を整えてから、倉庫を活用することをおすすめします。
まとめ
倉庫を使ったビジネスについて解説しました。
貸倉庫や駐車場、カフェやレストランなど、倉庫を使ったビジネスは多岐にわたりますが、需要がなければ当然うまくいきません。どんなに素晴らしい活用方法でも、需要がなければ利益を得られないため、十分な需要が見込める立地条件であるかなど、入念にリサーチする必要があります。
実用性のある活用方法を見つけるためには、知識と実績が豊富な専門家の力が欠かせません。倉庫のプロであれば、幅広いジャンルの活用方法も提案してもらえるため、きっと自社に合った運営方法が見つかります。
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