資材置き場として空き倉庫を活用するメリット&デメリットと注意点を解説

倉庫の活用方法にはさまざまな方法がありますが、注目を集めているのが資材置き場です。資材置き場であれば建物にこだわる必要がないため、費用をかけずに空き倉庫を活用できます。

この記事では、資材置き場として倉庫を活用するメリット・デメリットと併せて、資材置き場に向いている倉庫・土地の特徴や注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

資材置き場とは?       

資材置き場とはその言葉の通り、木材や石材、砂利、運搬器具などの資材を保管するための場所です。具体的に何を置くのかは、借り手となる土木会社や建築会社などの業種によって異なります。

建築用の資材はサイズが大きいため、多くの資材を保管するためには広いスペースが必要です。また、サイズの大きい資材を出し入れするには、大型トラックを使用することも多いため、スムーズに出入りや積み下ろしができる広さも必要になります。

倉庫を資材置き場として貸し出す場合、地元で事業を行う業者に長期間貸し出す以外にも、近隣エリアで開発や工事を行う業者に期間限定で貸し出したりするケースなどが想定されます。

倉庫を資材置き場にするメリット

倉庫を資材置き場として貸し出すメリットを解説します。

初期投資を抑えられる

倉庫を資材置き場として活用するメリットの一つが、ほぼ現状の姿のまま貸し出しできるため、初期投資を抑えられることです。

例えば倉庫をオフィスや店舗として貸し出す場合、水道や電気、トイレや空調などの設備が必要になることがほとんどです。一方、単なる資材置き場であれば、事務所や空調などが要らない場合が多いため、設備を用意するためのコストがかかりません。

古い倉庫に多い、トイレなどのインフラが整っていない状態の倉庫でも、貸し出せる可能性が高いでしょう。

長期安定収入につながる

長期安定収入につながることも、倉庫を資材置き場として貸し出すメリットに挙げられます。

土地活用として人気のアパートやマンションは、入居者の数によって収入が変わることもありますが、資材置き場は倉庫のスペースを貸し出すため、毎月の収入が大きく変動することがありません。

狭い土地・不整形地・遠隔地でも借主を見つけやすい

資材置き場を借りる目的は「資材を置く」ことなので、希望するエリアに必要なスペースを確保できる倉庫があれば借りてもらえます。

狭い土地や不整形土地、人の往来のほとんどない遠隔地では、倉庫をオフィスや店舗として活用するのは容易ではありません。資材置き場であれば、借りる側の使い方に問題がなければ、一般的な使用ではハードルが高い条件の倉庫でも、十分に賃貸活用が可能です。

倉庫を管理する手間がなくなる

使っていない倉庫を空き倉庫として所有しているだけでも、建物の管理に加えて、敷地内の掃除や雑草の処理などが必要になります。倉庫が自宅やオフィスの近くにあれば、それほど手間に感じないかもしれませんが、遠方になればなるほど負担は大きくなるでしょう。

倉庫の管理は管理会社に委託することもできますが、もちろんコストが発生します。倉庫を資材置き場として貸し出せば、収入を得られるだけではなく、倉庫の管理を借り手に任せられるメリットがあります。

倉庫を資材置き場にするデメリット

倉庫を資材置き場として活用することには多くのメリットがある一方、デメリットも少なからずあります。倉庫の活用で失敗しないためにも、デメリットも確認しておきましょう。

収益性が低い

都心などの賃料相場の高い地域では、オフィスや店舗としての需要が高く、資材置き場としての需要が少ないため、必然的に収益性が低くなりがちです。

需要が少ない

デメリットの一つである収益性が低くなる原因として、資材置き場の需要の少なさが挙げられます。資材置き場には広いスペースが必要になるため、都心などで広い土地が確保できない倉庫の場合は、需要は少なくなってしまうのです。

近隣トラブルにつながる場合がある

資材置き場の需要が少ない原因としては、近隣トラブルにつながる場合があることが挙げられます。

資材置き場には一般的に、木材や石材、砂利、運搬器具などの資材を保管します。風向きやトラックの出入りによっては、砂ぼこりなどが住宅地に入り込み、近隣エリアの住民から苦情が出る恐れがあるのです。

また住宅エリア近くの倉庫であれば、トラックの出入りと通学時間がかぶったり、子どもが資材置き場で遊んだりする可能性もあり、思わぬ事故が生じるリスクもあるでしょう。

資材置き場に向いている倉庫

資材置き場に向いている倉庫の特徴をご説明します。

市街化調整区域、工業専用地域にある倉庫

市街化調整区域では、新築・増築・リフォームなどの開発行為が制限されています。住居だけでなく、倉庫の新築・増築や建て替えにも制限がかかっているため、古い倉庫が多いことが特徴です。

資材置き場であれば、古い倉庫や設備が完全に整っていない倉庫でもよい場合が多いため、資材置き場に向いている地域であるといえるでしょう。

また、住宅が建てられず工場施設が多くある工業専用地域も、資材置き場の需要があります。

近隣エリアで開発や工事がある倉庫

倉庫の近隣エリアで開発や工事を行っていたり、今後開発や工事の予定があったりする場合は、資材置き場が必要になるため需要が見込めます。特に大規模な開発や工事では、まとまった期間に工事を行うため、中長期の契約が期待できるでしょう。

開発や工事に関する情報は、自治体の土木課・開発課などに問い合わせることで把握できます。資材の運搬にはトラックを使用するため、開発や工事を行っているエリアからある程度の距離があっても、資材置き場としての条件を満たしている場合は、借り手が見つかる可能性があります。

周囲に住宅が少ない倉庫

資材置き場では、保管している資材を運搬するために、大型トラックが頻繁に出入りします。周囲に住宅が多いと、住宅エリアの生活環境や事故に対するリスクが高くなるため、活用する際にはさまざまな配慮が必要です。

近隣住民からクレームが出ることを防ぐためには、通勤・通学の時間帯にはトラックの出入りを控えるなど、配慮を怠らないようにしなければなりません。

大型トラックが出入りできる倉庫

倉庫を資材置き場として活用する際に、必ず満たさなければならない条件が、大型トラックが出入りしやすいことです。倉庫のスペースがどれだけ広くても、大型トラックがスムーズに出入りできないほど、入り口や入り口に面した道路の幅が狭い場合は、借り手は見つからないでしょう。

一般的に、大型トラックやトレーラーがスムーズに出入りするためには、入り口の幅が6.5m、入り口に面した道路の幅が4mは最低でも必要です。さらに、幹線道路や高速道路のインターチェンジが近い場合は、より便利になるため資材置き場に適しています。

天井高、床荷重の高い倉庫

資材置き場には、木材やパイプなどの長物や重量のある物を保管するため、フォークリフトを使用することが多くあります。スムーズに建築資材などを出し入れするために、天井高の高い物件や床荷重の大きい物件が好まれます。

倉庫を資材置き場にする際の注意点       

倉庫を資材置き場として活用する場合、いくつか注意点があります。資材置き場として貸し出す前に、注意点を確認しておきましょう。

他の活用方法も検討する

倉庫を資材置き場として活用することには多くのメリットがありますが、倉庫の広さや立地条件などによっては、他の活用方法が向いている場合もあります。例えば商業エリアに近い場合は、オフィスなどに向いている可能性があります。

具体的な活用方法を洗い出し、実際の賃貸相場などを調べた上でそれぞれのケースでシミュレーションを行い、どのような活用方法が適しているのかを分析しましょう。

自社での調査・分析が難しい場合は、倉庫の賃貸を手掛ける専門家に相談することをおすすめします。実績の豊富な専門家なら、蓄積した知識とノウハウをもとに、適切なアドバイスをしてくれます。

資材置き場に適しているか慎重に判断する

すべての倉庫が資材置き場に適しているわけではありません。「資材置き場に向いている倉庫」でご紹介したように、資材置き場として活用する場合、倉庫の天井高や床重量、入口の幅や入り口に面している道路の幅などの条件があります。

倉庫に十分な広さがあり月々の賃料が低くても、条件を満たしていない場合は、資材置き場として貸し出したくても借り手を見つけるのは難しいでしょう。

資材置き場に関する知識がない場合は、倉庫活用のプロに相談することをおすすめします。専門家に相談することで、資材置き場として貸し出した際に借り手が見つからなかったり、十分な収入が得られなかったりするリスクを抑えられます。

まとめ

倉庫を活用するにはさまざまな方法があるので、どの方法を選んだらよいのか迷う方も少なくありません。資材置き場は空き倉庫に向いている活用方法ですが、実際に資材置き場に適しているかどうかは、倉庫や土地の条件によって大きく異なります。

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